チィちゃんとのお別れ



昨日はパピークラスの後、出勤していたスタッフ皆で動物霊園へ行ってきました。

飼い主さんの入院のため長期の予定でホテル預かり中の三毛猫「チィちゃん」が急死したためです。

チィちゃんは猫エイズを持っていて病弱なので、一般のホテルでは心配だからと病院併設である当院でお預かりしていた子です。

ペットシッターさんに連れられやってきたチィちゃんは、痩せているけどお腹だけ不自然に膨れていて、とても健康とはいえない状態でした。触診しただけでも、お腹の中の脾臓や腸管が腫れてゴツゴツと触れます・・・
この状態でよくご飯食べれてるな、と思うくらいでしたが、当のチィちゃんは案外ケロッとしていました。飼い主さんには検査結果をご説明して必要な時は治療もしながらお預かりすることに。

環境の変化から2日ほどは食欲が少なかったのですが、慣れるとよくご飯も食べて、2階建てゲージの上の段まで飛び乗れるくらいになりました。スタッフにも慣れ、朝出勤すると掃除中は部屋に放してもらいご機嫌だったチィちゃん。体重も10日で300gほど増え、見た目にも毛艶がよくなり調子よさそうだねと話してた矢先に急変が起こりました。

朝、スタッフの目前で、排便しようと気張っていた時に嘔吐してしまいそれがきっかけでショック状態に・・・
チィちゃんは腸が悪いため、下痢になったり便秘になったり血便がでたりとお腹の調子が変わりやすく、その都度対処していたのですが、この日はたまたま硬い便が肛門付近にあり、必要以上に力んでしまったことで腹圧が高まり嘔吐してしまったのです。

吐いたくらいで・・・?と思われる人もおられると思いますが、動物にとって「吐く」という動作はかなり危険を伴います。私たちは診察する中で、吐いたことによる心臓性ショックの症例を多く見てきています。

今まで全く元気だった子でも、吐いたことをきっかけに心臓がショックを起こし急にぐったりしてしまうことがあるのです。症状が重篤であったり、手当てが遅れると亡くなってしまうこともあります。この日誌でご紹介したメロンちゃんも、吐いたことでショックを起こしましたが、何とか一命を取り留めました。

チィちゃんの場合も、朝、吐くまではいつもどおり・・・部屋を散策していたのに・・・・

ショックに対する治療を続けながらなんとか夕方まで頑張りましたが、午後4時55分、スタッフ皆に見守られて天国に召されました。

飼い主さんからは、お預かり中に亡くなっても仕方ありません・・・というお話まで伺っていたものの、まさかそれが現実になるとは思ってもいず・・・チィちゃんを無事飼い主さんのもとに帰せる日までは!とわが子のようにお世話していたスタッフも、やりきれない気持ちだったと思います。

日曜の昨日、動物霊園で火葬してもらうことになり、チィちゃんの訃報を聞き、休日なのに戸畑からかけつけたトリマーの中村さんも含めスタッフ6人で霊園へ。火葬が終わると、小さなチィちゃんの骨を、霊園の方が綺麗に並べて説明をしてくださり、皆で拾って壷に納めました。

「自分の子でない預かりの子にも、あなたたちここまでしてるの?」と驚かれましたが、皆仕事だからでなく、チィちゃんと飼い主さんのために自分達ができることを考えただけ。それが自然にできるスタッフがいてくれて、私は嬉しくもありました。

でも、本当なら、元気な姿で帰したかった・・・持病があったとはいえ、残念な気持ちで一杯です。みんなチィちゃんが大好きだったよ。お母さんがお迎えに来るまでもう少し病院にいてね。

チィちゃんのご冥福を心からお祈りします。

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亡くなる三日前のチィちゃんです。
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by yukuhashi-a-c-c | 2010-01-25 12:47 | 診療日誌


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