殺鼠剤中毒

今朝のことです。患者さんから一本の電話がかかってきました。
「犬が夜から血を吐いているので朝一番で連れて行きます」という内容でした。

フィラリアかな・・・?と思いながら待っていると、まもなく来院したので診察してみると・・・
フィラリアに独特の咳は無く、吐血しているよう。お腹も妙に膨らんで、血色は真っ白。

飼い主さんに心当たりを聞いてみると、最近ネズミがでるので駆除の為「殺鼠剤」を置いていたのをいたずらして食べたということ。

商品名を確認してみるとワーファリンという薬が使われた殺鼠剤でした。

ネズミの好む小麦粒に主成分の他、誘食剤、色素、誤飲防止剤等を吸着させた殺鼠剤で、犬も好む味付けのようです。

ワーファリンはに抗凝固作用といって、血が固まらなくなる作用があります。少量で血栓を溶かす治療に使われたりもしますが、殺鼠剤ではその出血させる性質により、食べ続けることによりネズミは徐々に内出血をおこし、行動力や視力が衰え、3~5日後には死んでしまうのです。

今回、ワンコが食べてしまった量は製品二袋。ネズミの致死量の約25倍にもあたる量でした。
当然犬でもその効果は発揮され、全身で出血が起こった挙句吐血してしまったのです。妙なお腹の膨れも、腸内の出血によるもの。身体中、どこかしこで出血が起こっているはずです。

治療は発見が早ければ、吐かせる処置をした上で、ワーファリンの効果に拮抗するビタミンK1の投与ですが、薬がすでに吸収され症状が出てしまった状態ではすでに時が遅く、残念ながらたった数時間で亡くなってしまいました。亡くなった後も止めどなく続く下血が症状の酷さを物語ります。

お年寄りではありましたが、元気なワンコで非常に可愛がられている子だったので、泣き崩れながら愛犬に謝り続ける飼い主さんの姿はは見ていて辛いものがありました・・・。

ほんの少しの知識と、対処で救われる命があると思いたいので、亡くなった子のことですがあえて記事にさせてもらいました。もう、このような悲しい事故がおこりませんように・・・。

ゴロちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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by yukuhashi-a-c-c | 2013-08-31 00:22 | 診療日誌


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