猫の子宮水腫

この子はかおるちゃん。交通事故にあい、後ろ足が麻痺した状態で保護された子です。飼い主さんが最近よく水を飲み、食欲にムラがある、ということで来院しました。
後躯麻痺があるため、膀胱炎が持病だそうですが、最近は黒っぽい血もでているらしく・・・
膀胱炎だけではないのでは?と超音波エコー検査をしてみたところ、膀胱の横に液体のたまった袋がありました。「子宮蓄膿症・子宮水腫」の疑いがあります。
液体がたまっていることは間違いないのですが、それが膿か水分かは、開けてみないとわかりません。(陰部から膿が出てれば別ですが・・・)
数日抗生物質治療を行なったあと、体調も戻ってきたので診断と治療のため手術をすることに。
お腹を開けると・・・パンパンに水を溜めた子宮が姿をあらわしました。子宮水腫です。子宮の圧迫で膀胱がかなり押された状態になっていることもわかりました。かおるちゃんの場合、膀胱炎から膣炎、子宮内膜炎と症状が進み、子宮水腫になった可能性が高そうです。自然発生的になることもありますが、やはりホルモン異常を伴っていることがほとんどなので、手術で取り除いてしまう方法が勧められます。かおるちゃんも卵巣・子宮共に切除しました。
数日入院して週明けには退院予定です。はやく元気になってね


膿の場合はもっと子宮が白く見えるのですが、水の場合はこんな色です。
あまりにはちきれそうで、そのままでは切除すら難しい状態だったので、子宮を外に出して端っこに注射器で針を刺し、水をある程度抜いてから切除しました。

小振りな子でしたが、約30ccの水分がたまっていました。

切除した後の子宮の写真。粘膜も重度に腫れています。小さいからわかり辛いのですが、卵巣も黄体がボコボコして異常な腫れ方をしています。
by yukuhashi-a-c-c
| 2010-02-19 22:22
| 診療日誌